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佐藤もも子

大阪生まれ、福岡育ち。九州大学芸術工学部工業設計学科を経て、有田窯業…

大阪生まれ、福岡育ち。九州大学芸術工学部工業設計学科を経て、有田窯業大学校を卒業。2013年には、唐津の岡 晋吾氏に師事。2015年、福岡県那珂川市で独立。磁器土を使いながらも陶器のような柔らかさを携え、一筆一筆丁寧に絵付けをしている。目指すのは、「日常の生活に寄り添う、誰かの暮らしをちょっぴり幸せにできるようなうつわ」。

 

 

●「あたたかな部屋」展(「HERS冬号」/2022年より)

染付花卉文蕎麦猪口、青瓷染付天竺牡丹文八角カップ

絵付けのある器というとハレの食卓を連想するけれど、佐藤もも子さんの絵は、仰々しくないどころか、ふんわりとやさしいので、蕎麦猪口やカップなど心和むお茶時間に使えるものから始めてみたい。

小ぶりでシンプルな蕎麦猪口は、適度な厚みがあってコーヒーや緑茶に気軽に使え、八角形のカップは、花弁のような口が思いのほか唇に心地いい。ざっくりとした表情の釉薬がかかっているが磁器なので手に温度を感じやすく、あたたかいものを飲むとほっと安らぐ。

「染付の蕎麦猪口は江戸時代に上流階級から庶民に伝わり、広く用いられ雑器のように使われました。だから現代でも毎日のふだん使いにしてほしい。八角カップは、梅酒のお湯割りなどにもおすすめです」と佐藤さん。(取材・文/衣奈彩子)

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