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久保田由貴

神奈川県横浜市生まれ。2014年に栃木県窯業技術センター伝習生を修了し、…

神奈川県横浜市生まれ。2014年に栃木県窯業技術センター伝習生を修了し、益子の鈴木稔氏に師事。2016年に笠間の額賀章夫氏に師事したのち、翌年、栃木県益子町にて独立。当地の陶土を用いたうつわ、ぽってりと愛らしい印象。大胆かつ繊細に流れる釉薬によって生み出される表情は一つ一つ異なるので、選ぶ楽しみもまたひとしお。

 

●「あたたかな部屋」展(「HERS冬号」/2022年より)

ポットとフリーカップ

益子で作陶する久保田由貴さんの作品は、器をかたちづくるラインに沿って釉薬が流れ混じり合うことで生まれる、幻想的な景色が特徴。

釉薬の流れ方は、器の形状によって変わるため「作る時には頭の中にある理想の形を必ず図面に落とし込んで、上から下に向かう線の繋がりやバランスを整理してから取り掛かります」という久保田さん。とはいえ、いざ土に向かったら感覚が頼り。 正確な図面と手仕事の間のゆらぎが、思わず部屋に迎え入れたくなる愛嬌のあるフォルムを生み出していく。

ふくよかな形のポットとフリーカップは、たっぷりお茶を注いだ時にも使い勝手がいいよう軽く仕上げ、結晶が細かく発露するブルーグレーの釉薬を合わせた。どちらも雪の玉のようで愛らしい。(取材・文/衣奈彩子)

 

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