波多野裕子

1968年東京生まれ。1993年より陶芸を、2004年より彫金をはじめ、その後2008年からガラス(パート・ド・ヴェール寄りのキルンキャスティング技法)で器やランプシェードなどを制作している。

 


●10人10様“暮らしの白”展(「HERS夏号」/2021年より)

色ガラスの粉を器型に詰めて焼く「パート・ド・ヴェール」という技法を用いる波多野裕子さん。白を表現するとき、彼女は必ずグレーやブルーなど別の色の粉を調合するという。真っ白ではなく、色を内包する白を選ぶのはなぜだろう。

「月の光や、霧、朝もやなど、光とともにある白に惹かれます。雲や雪の白も好きですね」

なるほど、白は光の反射によって認識される色。常に周りの色の影響を受け濃度を変えているのだ。ここに並んだ作品も、置く場所の光の強弱によって、雪のようにはかなく見えたり、お酒やつまみを受け入れるしっかりものの器に見えたり。

波多野さんのガラスを暮らしに取り入れたなら、刻々と見えかたを変える、白の奥行きを感じてみたい。(取材・文/衣奈彩子)

 

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