吉田直嗣

1976年生まれ。東京造形大学卒業後、陶芸家黒田泰蔵に師事。2003年独立し、静岡県に築窯。白と黒の器中心に作陶を続けている。

 


●10人10様“暮らしの白”展(「HERS夏号」/2021年より)

焼物には大きく分けてふたつある。陶土を用いた陶器と陶石を用いた磁器だ。薄く繊細な器が魅力の吉田直嗣さんが白い作品に用いるのは、滑らかで伸びがよく、極限まで薄く作ることができる磁器の土。

「磁器土は余計な手を加える必要がないと思えるほど、完璧な素材。そんな土を前に、僕はただシンプルにろくろをひくだけです」という吉田さん。磁器に触りたいという思いが、自分を白に向かわせたと語る。

「ただ美しいと思えるものがそばにあることは、それだけで幸せなことだと思う」と器に取り組む彼にとって白とは、高台から口縁に向かう線や、薄さを印象づける口造りなど、器が器であるための「ライン」の美を鮮明にするもの。奇をてらわない美しさに気付かせる色なのだ。(取材・文/衣奈彩子)

作品一覧へ