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富貴堂

金属加工が盛んなことで知られる新潟県燕市で三代続く銅器製造販売企業。…

金属加工が盛んなことで知られる新潟県燕市で三代続く銅器製造販売企業。江戸時代から継承されている、「鎚起」という技法(銅板を鎚で打って型を作る方法)を用いた銅製品を作り続けている。

 

●「お茶の時間」展(「HERS秋号」/2021年より)

ティーポット、急須 アラシ肌

金属加工が盛んなことで知られる新潟県燕市で三代続く「富貴堂」。 銅板を鎚で打つことで形を作っていく「鎚起」という技法で作られたティーポットや急須の表面に は、鎚目が規則的に刻まれ、質実剛健な職人仕事を物語る。ティーポットは気品に満ちたデザインで、急須として日本茶に使っても美しい。銅は熱伝導がいいので冷めにくく、内側には大きめの茶漉しがあるので茶葉も捨てやすい。代々作り続けている急須は、注ぎ口と取っ手のバランスが絶妙で一度使ったら手放せない。

「洗って、拭いて、手で撫でて。使うたびに変化する表情を楽しみながら、特別なものではない日用品として親しんでほしい」と代表の藤井健さんが言うように、いまこそ、由緒正しき良きものを暮らしに取り入れて。(取材・文/衣奈彩子)

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